3月15日の金曜日、中学校を卒業した。
ほんとはその日に記録するつもりだったけれど、うれしくて仕方なくビデオなどを見返していたら結局のびのびになってしまった。
まずは「おめでとう」と言いたい。
卒業式が終わり、クラスでの学活を終え、玄関を出てきた時。
友達としゃべったり、写真を撮り合っていた時。
その時間を楽しんでほしかったから、近くには寄らずに遠くで見ていただけだが、とても楽しそうな笑顔だったのが印象的だった。
ほんとうに、よかった。おめでとう。
最後の全体合唱での伴奏が中学校での最後の大仕事。
ミスせず、持ち前の表現力をいつも通り発揮して、いい演奏だった。
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一年前のこの日は、まだ治療中だった。
昨日は眠そうだったが今日は元気 - 悪性リンパ腫の子とクローン病の親と。
高校の合格発表の日の一年前は、病院に戻らなくてはいけなかった日。
外泊切れて、いちど病院へ戻る - 悪性リンパ腫の子とクローン病の親と。
入学試験の日の一年前は、病室から眺める大雪が人ごとだった。
文化祭の一年前は、もらい事故で廃車になった車の次の車が来た日。 「元通り」の験担ぎで、あえて同じ車種で、ただ黒から白に色を変えた。今はこの車でいろいろ出かけているね。
新しい車が来た。元通りの験担ぎで、同じ車種 - 悪性リンパ腫の子とクローン病の親と。
体育祭の一年前は、まだまだ治療の前半戦もいいところだった。
一日あけて数値回復。抗がん剤投与再開 - 悪性リンパ腫の子とクローン病の親と。
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文集を読んだ。
あの一年がほんとにつらい一年だったことが、手に取るようにわかった。
あれが経験になっているとはあるが、そう思わなくてはやってられないのだろうということも、なんとなくわかる。
退院してから約一年。
ただ、まだ治療は続いている。
親である自分でさえ不安で押しつぶされそうになるときがあるけれど、そんなそぶりをおくびにも見せないないところ。
強さであり、優しさでもあると思う。
尊敬に値するし、誇らしくも思う。
まだまだ15歳。
これから過ごす時間のほうがこれまでよりもずっと長く、つらい思い出はいつか薄れてしまうものだけれども、この数年で得た悪いことといいことは、ずっと大事に持っておいてほしいなと思う。
卒業、おめでとう。