悪性リンパ腫に限らず、子どもが病気と闘うために必要な費用負担を軽くするための各種公的制度があることを知ったので、以下にメモ。
うちの場合はこんな感じ
医療費の軽減に関する制度は色々あると改めて知ったのですが、支援を受ける対象(治療を必要とする人)が何歳かによって、受けられる支援が異なるので、自身の条件ではどういった支援が受けられるのかを確認しておくことが必要になるでしょう。
なお、がん治療を行えるような病院では、ソーシャルワーカーさんがいると思いますので、基本的にはそちらに質問するのが確実かと思います。
ちなみにうちの場合は子どもが小児に該当する年齢のため、小児慢性疾患医療費助成制度を活用することを前提に各種手続きを進めました。
制度の概要については後述しますが、以下のような流れで申請を進めました。
- 大学病院での検査入院時
- 入院時の一時金(検査入院した病院では15万円だった)を現金で支払い
- 健康保険の負担分3割を上記相殺で支払い(15万円から負担分を引いた金額が返金される)
- 系列のがん専門病院への転院〜確定診断まで
- さらに細かい検査を受けるために検査入院。上記と同様に一時金を支払う。
- 悪性リンパ腫の診断を受ける。
- ここで、後述の【小児慢性疾患医療費助成制度】の支援を受ける意思を所轄の保健所に伝えて手続き。これによって、この申請日以降の医療費が請求されなくなる。
- 本格的な治療を受けるまえに週末の3日間に自宅に帰るため、いったん退院。ここまでの負担分を健康保険の負担の範囲で支払い。
- 障害者の医療費の助成制度として、自治体に【特別児童扶養手当】の申請を行う。
- 【小児慢性疾患医療費助成制度】申請以前の自己負担分については、今後自治体の【子ども医療費助成制度】の活用で返金してもらう。
実際に費用がかかるのは【小児慢性疾患医療費助成制度】の申請前まで。なので、診断が出たら速やかに申請を行う(ほぼ確定である場合は事前に手続きを進めることもできるようなので、そういうことが可能かどうかはソーシャルワーカーさんや保健所に確認する)ことをおすすめします。
4.の返金措置を受けるまでの立て替え負担が厳しい場合は、後述の【高額医療費制度】の【限度額適用の認定】を受けることで、支払う医療費を自己負担の限度額に最初から抑えることも可能なので、早め早めに動くことを強く意識したほうがよいと思います。
以下、うちでは活用を見送った制度もありますが、支援の対象として条件にあてはまる支援制度の概要を記しておきます。
高額療養費制度
こちらは比較的認知されている制度だと思います。加入している健康保険に対して手続きを行います。
が、平成27年1月から70歳未満の所得区分が3区分から5区分に変更されているということなので、活用を検討する方は確認が必要です。
医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月(歴月:1日から末日まで)で上限額を超えた場合、その超えた額を支給する「高額療養費制度」(こうがくりょうようひせいど)があります。
上限額は、年齢を所得に応じて定められています。
また、いくつかの条件を満たすことにより、負担を更に軽減するしくみも設けられています。
引用:高額療養費制度を利用される皆さまへ |厚生労働省
先述のように【小児慢性疾患医療費助成制度】の申請・認定まえの自己負担が厳しい場合、この制度の【限度額適用の認定】を受けることで費用負担を最小にできます。
小児慢性疾患医療費助成制度
所轄の保健所で手続きを行います。
この制度が悪性リンパ腫の治療のための医療費助成のメインに位置づけられると思います。
子どもの慢性疾患のうち、小児がんなど特定の疾患については、治療期間が長く、医療費負担が高額となります。小児慢性特定疾患治療研究事業は、児童の健全育成を目的として、疾患の治療方法の確立と普及、患者家庭の医療費の負担軽減につながるよう、医療費の自己負担分を補助するものです。
引用:小児慢性特定疾病情報センター - 小児慢性特定疾病の医療費助成について
一方で「小児」のための助成制度なので、小児の枠を越えるとこの助成対象から外れることになります。具体的には以下の年齢制限があります。
18歳未満の児童等でが対象です。(ただし、18歳到達時点において本事業の対象になっており、かつ、18歳到達後も引き続き治療が必要と認められる場合には 、20歳未満の者も対象とします。)
引用:小児慢性特定疾病情報センター - 小児慢性特定疾病の医療費助成について
この制度を受けられなくなった場合は、先述の【高額療養費制度】の活用が第1選択肢になると思っています。
子ども医療費助成制度
住んでいる自治体の役所で手続きができます。悪性リンパ腫に限らず、子どもの病気の治療にかかった健康保険の自己負担分を自治体が負担してくれる制度です。
子ども(主に中学生まで)の医療費の一部または全額を自治体が負担する制度です。自治体ごとに、助成基準(扶養義務者の所得制限など)が異なるため、詳細はお住まいの市町村の児童福祉担当の窓口にお問い合わせください。
引用:医療費の負担を軽くするための制度:[国立がん研究センター がん情報サービス]
ここにあるように、住んでいる自治体によって制度の内容が若干異なるため、「子ども医療費助成制度 住んでいる自治体名」などで検索して役所の情報を確認するか、実際に足を運んで確認するのがよいでしょう。
が、これは子どもがいる家庭ではおそらく普通に活用していると思うので、改めてここで記載しておく必要はないかも。
先述の【小児慢性疾患医療費助成制度】とこちらの制度の活用で、事実上医療費はゼロになります。
障害者の医療費の助成制度
こちらも住んでいる自治体の役所で手続きができます。
悪性リンパ腫の場合【特別児童扶養手当】というかたちで、申請者の所得が一定額以下であれば一定額が支給されます。
精神又は身体に障害を有する児童について手当を支給することにより、これらの児童の福祉の増進を図ることを目的にしています。
20歳未満で精神又は身体に障害を有する児童を家庭で監護、養育している父母等に支給されます。
引用:特別児童扶養手当について|厚生労働省
その他
ほか、自治体によって名称が若干異なるようですが、小児慢性疾病の指定を受けた児童に対して見舞金が支払われる制度もありますので、役所に問いあわせてみるとよいかもしれません。
自分が住んでいる自治体では【難病患者見舞金】という名称でした。「特定疾病療養者見舞金」という名称で支給している自治体も多いようです。
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これら、治療に関わる医療費の支援を受けられる制度がたくさんありますので、ソーシャルワーカーさんや自治体に確認して、早めに申請を終えることをおすすめします。
お金の心配は予想以上に親のストレスになるので、速やかにこちらを解決して、本来気にするべき子どもへのケアに集中することがよいと思います。