悪性リンパ腫の子とクローン病の親と。

クローン病の親の子が悪性リンパ腫(Tリンパ芽球性リンパ腫)に。 今の暮らしを日々伝えていくことが、同じような病気を抱えて暮らす人の何らかの助けになればと思っています。

台風の風雨で冠水したというニュースを見て

今回の台風の風雨で、近所が冠水しているというニュースがテレビで流れた。

近所といっても、車で10分ほどの隣の市なのでそこそこの距離はあるわけだけれども、それでも見知った道路がテレビに流れると一気に身近に感じる。

自然災害による被害はまさに天災で、想定を越えた予期しない被害を受けるということだけれども、それに対してどう受け入れるか/どうリカバリしていくかというのは本質的にはがんの罹患と似ているところがあるなと思った。

望まないことではあるけれども事実として受け入れることと、その上でどうするかを考えなくてはいけないという点で。

ちなみに「健康である」とか「五体満足である」のが前提で組み上げられた生活を一変させるのは本当に大変で。

たとえば自分がクローン病と判明したときもまさにそれで、健康であること・普通に動ける体であることが前提で仕事をしていたわけだけれども、クローン病によっていつ入院するかわからない体になってしまった。

幸いこれまで再燃はしていないものの、とはいえ「クローン病である自分」にとって、それまでの仕事は病気を再燃させる可能性の高い職であり、家族を食わしていくためにはリスクの高い職であったので、当時の自分はそれまでの蓄積を全て捨てて、クローン病である自分を前提に仕事を変えた。

結果論としてその判断は正しかったわけだけれども、だれもができることではない(能力とかそういう話ではなく、しがらみとかの話)ので、人それぞれ、非常に悩むポイントだと思う。

そしてうちの子の場合。

もちろん「がん」「悪性リンパ腫」という病気は望まざるもので、そんなものは欲しくはなかったし、今でも無かったことにできるならそうしたいし、何より本人が一番そう思っていると思う。

ただ「がんである自分」という前提が、まだそれほどしがらみがない中でできたというのは(もちろんそんな前提は欲しくなかったけど!)、まだ良かったのかなと思う。病院には家族がもういないそこそこの年齢の方もいたりして、そういう方は本当にしんどいと思うから。

今は色々な職業の選択があって、社会への関わり方にも昔と比べて多くの選択肢や可能性があるから、たとえ望まざる前提だとしてもそれが早く設定されたのは、もしそれが逃れられないものだったとしたらこのタイミングでよかったのかな...... というのを冠水のニュースを見て漠然と思ったので書き留めてみた。

ほんとにこんな病気にはなりたくなかったけどね......

悪性リンパ腫の子とクローン病の親と。

「今、しっかり暮らしているよ」ということを日々伝えていくことが、同じような病気で悩んでいる人を勇気づけることになるだろうとの想いから、病気に関する考察や治療に関する情報よりも、日記的な記述が多くなっています(そもそも医学的・専門的な知識がない中で、正確なことは書けないし)。

病気や治療で投与する薬剤や各種支援制度についての記述も稀に行いますが、相対的に情報の正確性が高いと思われる政府機関をはじめとした公的機関からの引用や、それらへの参照に限るように心懸けています。

上記のように、記載内容の正確性や信頼性には一定の配慮はしていますが、必ずしもそれらを保証はしません。

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